« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »

2010年5月

2010年5月30日 (日)

冗談は顔だけじゃなかった

かつて日本でも中京圏を中心に放送されていた(関東は未放送)輸入ドラマ『アーノルド坊やは人気者』で主役を演じたゲーリー・コールマン氏が、脳内出血で亡くなりました。

コールマン氏は1978年(昭和53年)に始まった同番組で、金持ちの白人夫婦の養子になった主役の黒人少年を演じて人気者になり、最盛期には1本当たり7万$(当時のレートで約800万円)のギャラを稼ぐ売れっ子でした。番組は8年間続きましたが、ギャラは両親が事業や投資に注ぎ込んで失敗。これがきっかけで両親と訴訟合戦の結果、絶縁しましたが、その後はヒット作に恵まれず1999年(平成11年)、31歳で自己破産に追い込まれました。その時の負債額は奇しくも7万$でした。

裁判では勝訴したものの慰謝料は、弁護士への報酬と2度の腎臓手術(だから成人しても身長が140cmなかった)の費用で消えてしまい、その後は度重なる暴力沙汰で何度も警察の厄介になり、ついにはカネの為にラジオ番組で自身の童貞をオークションに掛けましたが、落札者はゼロ。まさに前述の『アーノルド~』での決めゼリフ「冗談は顔だけにしろ」を地でいってしまったのでした。

そして2003年(平成13年)には御年35歳で何をトチ狂ったか、州知事選挙に立候補。「国立公園を掘りまくった上で地下資源を発掘」とマニュフェストに掲げましたが、あえなく落選。当選したのは「もう一人のアーノルド」(あ、こっちが本家か)こと、アーノルド・シュワルツェネッガー現、州知事だったのは言うまでもありません。その後は世間からも忘れ去られましたが2007年(平成19年)、39歳で突然18歳年下(という事は21歳)で身長も約30cm高い白人女性と結婚。しかし夫婦喧嘩でまたもや警察沙汰になり、お約束通り離婚訴訟へ。その最中に脳出血で倒れ意識不明となり、そのまま42年の人生にピリオドを打ちました。

思うに子役スターというのは旬が短く、それでいてインパクトが強いので、大人になってから大成出来ずにそのままフェイドアウトして、よくて「あの人は今」。ヘタすりゃ警察沙汰というのが定番になってしまうようです。逆に日本で言えば水谷豊・渡辺謙・柳沢慎吾のように、成人してから注目された人(つまり子役時代はほとんど端役)の方が、子役出身でも大成出来るのかも知れません。ということは、売れない芸人とデキ婚離婚して、実の母親が全身整形の末にAVデビューして絶縁に至った、「同情するならカネをくれ」のあの人の行く末は、次の衆院選に立候補ですかねぇ?それとも・・・

参考文献 『底抜け合衆国』 町山智浩著 洋泉社、刊

2010年5月28日 (金)

例の条例、否決へ

当ブログの読者様には説明不要の例の条例ですが、どうやらボツになる可能性が濃厚となってきました。

毎日新聞の報道によると、都議会民主党と生活者ネットワークは今日28日、例の条例こと「東京都青少年健全育成条例改正案」の撤回を、都に申し入れました。それによると、両会派は「改正案は問題点が多い。一度『更地』に戻し、議会と都が議論してより良い条例とすべきだ」と主張。一方、都は撤回に応じない方針の為、改正案は6月の定例会で否決される公算が大きくなったとの事です。

まずは一安心といったとこですが、まだまだ油断はできません。何度も言いますが、この手の条例は世間が忘れた頃にスピード審議の末、やむ終えず可決というのが常套手段ですから、最後の最後まで気を抜かずに、その行く末を見守っていきたいと思います。

ちなみに先日見に行った「西原理恵子の人生画力対決10」で、この話は全く出ませんでした。いやはや( ̄◆ ̄;)

2010年5月26日 (水)

その時、ガンダムが動いた

近所の書店でガンダムエースを買おうとしたら、隣に『ガンダムMSヒストリカ』(講談社)というのがあったので、思わず買ってしまいました。

かつて同じ講談社から『ガンダムヒストリカ』というガンダムの歴史雑誌が出ており、その続編というのはわかりますが、驚いたのは月刊誌で全6号という事。この手の週刊百科的雑誌は最低でも30~40号というのが相場だけに、出版会の不況もここまで来たかという感じです。

正直、ガンダム関係のハッタリ科学の設定は、もう出尽くしたと思っていただけに、あまり新鮮味はないのですが、唯一読み応えがあるのはミナカ・ユンカースこと皆河有伽による「ガンダムの世紀」。言うなればガンダム版「プロジェクトX」ですが、皆河氏はかつて一年戦争百科事典『ガンダム・オフィシャルズ』の編纂に関わってるだけに、文章にも説得力があります。

それにしてもバインダー付きの第4号が、税込¥2400というのは正直どうかと。本誌が¥690だからバインダーは¥1710って事?正直ボリすぎな気がするんですけどにぃ。果たしてどりこのの利益はどこに行ったのでしょう?

2010年5月25日 (火)

恐るべき条例の今と今後

このブログで何度もネタにして、これからもネタにする例の条例こと「東京都青少年健全育成条例」について、新たな動きがありました。以下産経新聞ウェブ版より引用。

子供を性的対象にした過激な漫画やアニメなどを規制する、東京都の青少年健全育成条例の改正案で、改正案に反対する漫画家1421人と出版社10社が25日、連名で反対声明を出した。漫画家には、藤子不二雄Aさんやちばてつやさん、萩尾望都さんなど多くの著名漫画家が名を連ねた。

 声明は改正案を「表現の自由を損ね、漫画文化の衰退をもたらす」と非難。改正案で服装や背景などから18歳未満と判断できるキャラクターを、非実在青少年との造語で規定することにも「定義が明確でなく恣意的な判断を残し、(表現の)萎縮的効果をもたらす」とした。(10.5.25 18時42分配信)

現時点では6月までの継続審議となっているものの、7月の参院選前に片づけたいというのが、各党の本音。ゆえにどさくさまぎれで成立の危険があるだけに、こうして著名人や出版社が警鐘を鳴らし続けるのは、大変有意義だと思います。相変わらずテレビではベタ記事扱いなのがわかりまへんが、何か圧力でもあるのでしょうか?作品が規制されると、アニメ化もままならなくなり、結果として優良コンテンツが減ってしまいかねないのにねぇ。

2010年5月24日 (月)

崖っぷちのテレ朝ドラマ

昨日行って来た西原理恵子の「人生画力対決」の話はいずれ書くとして(ツイッターやニコ動で生中継されてたから、何をお題にして何話したとか今更書いても意味ないけど)同じサイバラがらみで別の話を一つ。

実は昨日も少しだけ触れられてたのですが、サイバラの自伝『この世でいちばん大事な「カネ」の話』(理論社)がテレ朝でドラマ化される事が決まったのですが、その主役に抜擢されたのは驚く勿れ、ニャンと山田優と言うじゃありませんかい。過去には『ぼくんち』で観月ありさ、『女の子ものがたり』で深津絵里、そして現在公開中の『パーマネント野ばら』では菅野美穂と、いずれも演技派として知られている女優が演じてきたのに、よりによってシロウト同然の山田優とは・・・・・

放送が予定されてる金曜21時枠は、かつてテレ朝史上最低平均視聴率で一二を競った『レガッタ』『コールセンターの恋人』の枠なのでまさかと思ってたら、やはりプロデューサーが同じ奈良井正巳でした。ということはもう、結果は目に見えてますね。そもそもサイバラの生き方そのものが、映画やドラマにならない位おもしろいという事を、未だ理解できない業界人が多いのは、悲劇であると同時に喜劇でもあると思うんですけど。

いっその事提供は高須クリニックで、主題歌は西原理恵子&とりあたまバンドの『金をかせごう』にしてくれれば、初回だけ見るんですけどにぃε-( ̄ヘ ̄)┌

2010年5月22日 (土)

ど・ど・どりこの大爆笑~

5月21日の読売新聞朝刊を読んでたら、江戸東京博物館の展示物紹介記事の中に「どりこの」ポスター、という気になる文字を見つけました。

それによると「どりこの」とは、昭和初期に大流行した滋養飲料の事であり、名称の由来は開発者の医学博士・高橋孝太郎の「こ」、助手の野口氏の「の」、そしてドイツ人らしい共同開発者の名前の一部「どり」を組み合わせて「どりこの」と名付けたそうです。ブドウ糖、果糖、アミノ酸が主な主成分で、そのままでは甘すぎて飲めない事から、水やお湯で5~6倍に薄めて飲むという、カルピスに近い飲み物でした。ちなみにカルピスの発売開始は大正8年(1919年)。三越がどりこのを発売したのは昭和4年(1929年)ですから、多少なりともカルピスを意識してたのかも知れません。

このどりこのにハマったのが講談社の創業者、野間清治。もともと大の甘党という事もあってか愛飲し、ニャンといつの間にやら独占販売権まで取得してました。後は出版社の人脈を生かして、閣僚や有名芸能人を多数宣伝に動員。1本1円20銭(現在の額で約2200円)と高値ながら、最盛期には年間230万本も売るほどのヒット商品となりましたが、戦争の勃発で砂糖の入手が難しくなり、昭和19年(1944年)頃に販売を中止。その後は知る人ぞ知る幻の飲料となってしまいました。

もう一人どりこのと縁の深い人物が、コラムニスト兼気象予報士の泉麻人。過去にテレビ番組の中で、講談社の倉庫から借りてきた実物のどりこのとご対面した事もあります。泉氏の著作『コラムダス』(新潮文庫 絶版)によると、それは黒ずんだ重厚なガラス瓶に入った、怪しい古酒めいたレモン汁がくすんだような色合いだったとの事ですが、さすがに試飲はためらったそうです。また、別の著作(『ニッポンおみやげ紀行』 講談社文庫 絶版)によると、長野には「どりこの焼」というおやきに似た菓子があるとか。飲料のどりこのとは直接の関係がない事から泉氏は、「どりこのが一種の流行語として使われてたのではないか」と分析してます。

昭和40年代前半まで、企業は新製品の宣伝の為に、自前でタレントや楽団を使ったキャラバン隊を全国に派遣させてましたが、もしかしたらどりこのも、軽快な歌に合わせて宣伝してたのかも知れません。それがタイトルにある「ど・ど・どりこの大爆笑~」だとしたら、それが某国民的お笑い5人組の番組に影響を与えたらしいという説は、一理あります(って、もちろんウソです)

このポスターは今月26日まで、江戸東京博物館の5F第2企画展示室で展示されてるので、興味のある方は一度観てはどうでしょうか。なお、勝手ながら明日5月23日の更新は、お休みします。ご了承下さい。

2010年5月21日 (金)

映画秘宝 10年7月号

毎月恒例、映画秘宝の最新号を検証していきます。

メイン特集はアメコミ映画最前線2010! 来月公開の『アイアンマン2』や日本未公開の『キック・アス』。更にはこれから映画化されるアメコミについて触れてますが、『アイアンマン2』は監督・出演者のインタビューで手堅くまとめてるのに対し、『キック・アス』は町山智浩氏のレポートが中心。かつての『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン』同様、署名運動の結果公開決定というのを狙ってるのかも知れませんが、かなり厳しそう。町山氏も「ターゲット狭すぎる映画」という事を認めてます。

次は運動音痴の為のスポーツ映画50 しかしこちらは単なるランキングに留まり、しかも何とは言いませんが秘宝らしかぬ作品も混ざっており、正直ガッカリ。エロール・フリンのボクシング映画『鉄腕ジム』が唯一の収穫というのが幸いでした。

デビルズプレスは、ある意味和製『キック・アス』というべき『戦闘少女 血の鉄仮面伝説』。表紙にも起用する位ですから(個人的には『アイアンマン2』の誰かか北野武だろうと思ってたので、これは素直に脱帽)しかし徹底特集かと思いきや、以外にもメインは井口昇・西村喜廣・坂口拓の共同監督3人による座談会だったのは、ちと肩透かし。しかしその分はジョージ・A・ロメロのインタビューでフォロー。

その次の仁義なきニッポン暴力路線2010では、新作公開に合わせた北野武・塚本晋也・井筒和幸のインタビュー。三者三様の暴力に対するスタンスの違いを比較できる、近年稀に見る構成。しかし今回個人的に買いなのは、仲代達也と日本映画の旅です。秘宝初登場の仲代氏のインタビューは言葉に重みがあり、一つ一つの発言を読んでいるだけでそれ自体が大きな事件である事を実感。同じ事をどうして藤田まこと・佐藤慶・北林谷栄で出来なかったのかと悔やむ事しきり。(佐藤氏の追悼特集は企画中とか)

残念だったのは先月の予告で復活と書かれた「日本映画縛り首」が全く無視されてるという事。まぁ6月3日に『日本映画空振り大三振』というのが出るので、そっちと合わせて来月やるのかも知れませんが。

2010年5月20日 (木)

龍馬「電」出発進行ぜよ

今日発売の日刊スポーツによると、京浜急行電鉄は今月24日から6月27日まで快特用のブルースカイトレインで、ドアの両側に「龍馬が愛した長崎」キャンペーンのポスターを貼る事を発表しました。

これは長崎県の要望で実現するもので、龍馬がらみの観光で高知県に遅れを取っていることから、夏休み前にアピールする必要があったとの事です。京急も長崎と空路で結ばれてる羽田空港に乗り入れてる事もあって、両者の思惑が一致したものです。

もっとも当初計画してた全面ラッピング電車は、東京都・川崎市・横浜市・横須賀市の「屋外広告物条例」とやらのせいで中止。おかげで関西の鉄道やバス、航空機のような大胆なアピールが出来ないのが玉にキズ。京急と言えば例のエアポート急行の京急蒲田通過問題で大田区とモメてる真っただ中。一方『龍馬伝』も視聴率20%割れが当たり前になり、果たして起死回生の切り札となるか、しばらく見ていきたいと思います。本当はこういう閉塞状況を打破するのに、龍馬なみの大胆な発想が求められてるんですけどにぃε-( ̄ヘ ̄)┌

2010年5月19日 (水)

高知県のマンガ課(補足)

3回に渡って高知県が計画してるマンガ産業化のダメさ加減を指摘してきましたが、官主導の文化事業は本当にロクなものがありません。過去の歴史を振り返っても、権力者がパトロンになって専門家を支援するのと、権力者自らが専門家になるのとではその明暗がはっきりと分かれます。

かつて豊臣秀吉は自身の業績を正当化する為に、「豊公能」と呼ばれる能楽を制作しました。『明智』『柴田』『北条』といったタイトルでその内容がうかがい知れますし、シテ(主役)の秀吉を秀吉自身が演じる(家康も家康本人が演じたそうです)異例の作風で一世を風靡しましたが、秀吉の死で瞬く間に衰退。今ではほとんど上演されてません。

新しい所では今から99年前の明治44年(1911年)5月、当時の文部省(現、文部科学省)が「文芸委員会」を設置。国家主導で世界に通用する文芸作品を創り出し、優秀作品には賞金も出す方向で話を進めてました。会のメンバーには森鴎外、幸田露伴、徳富蘇峰、上田敏など錚々たる面々が出そろいましたが、これに反発したのが夏目漱石です。

その3ヶ月前、漱石は文部省から文学博士号を授与されましたが、即日これを送り返してます。その辺の経緯は漱石関係の書物に譲るとして、これで漱石の文部省への不信感が高まったのは事実です。そして文芸委員会に対しては朝日新聞紙上で、官憲の力で文芸は興隆せず、かえって弊害がある事を述べています。文芸はあくまでも個人的なものであり、政府や文芸委員会が最後の審判者となれば、健全な文芸の発達という美名のもと、権力に都合のいい作品が奨励され、そうでないものが反体制的として弾圧されるだろう、というのが漱石の見解です。

結果として文芸委員会は何一つ推奨作品を決められないまま、解散しました。税金を使って有名作家のお茶会をやっただけという、何ともしまらない終わり方でした。漱石の読みが当たったわけですが、今また同じような事が小説からマンガに舞台を変えて行なわれようとしてると思うのは、考えすぎでしょうか?

参考文献『新聞記者 夏目漱石』(牧村健一郎著 平凡社新書)

2010年5月18日 (火)

高知県のマンガ課(下)

一昨日からお伝えしてる高知県のマンガ産業化ですが、仮に高知在住の漫画家が優れた作品を創り出し、自前で出版社を立ち上げ本社を高知に置いたとしても、どうしても避けて通れないかも知れない関門があります。それが何度もこのブログで取り上げてる「東京都青少年健全育成条例」です。

何度も述べてますが、拡大解釈されて表現の自由を脅かしかねないこの条例。実際に施行されると、おそらくほとんどのコミックは路線変更を余儀なくされて、セックス&バイオレンスはもちろん、犯罪やテロを題材にした作品も(たとえそれが21世紀の日本以外の国や時代、ヘタすりゃ星が舞台でも)描きづらい⇒描けないという事になりかねません。まぁ高知県知事が石原慎太郎とケンカして、「高知に来ればエログロ・バイオレンス、他にも何でも描き放題」とでも言えば別かも知れませんが、まずムリでしょう。流通と通信が東京中心で回ってる限り。

また高知の場合、人気マンガの舞台(もしくはそのモデルとなった場所)を訪問する、言わゆる「聖地巡礼」もあまり縁がなさそうだし(むしろ龍馬がらみで聖地巡礼した方が早いか)そもそも県がアテにしてる(らしい)やなせたかしや西原理恵子といった高知出身の漫画家は、別に地域振興の為にマンガ描いてるわけじゃないし、結局の所キャラクター使ったお菓子やグッズで儲けたい、というのが行政のホンネかも知れませんね。(それでも一番おいしい所は大手の広告屋が持っていくんだけど)

2010年5月17日 (月)

高知県のマンガ課(中)

昨日は高知県に設置された「マンガ課」と、県がもくろむマンガ産業化はコケるという話をしました。で、今日はその理由についてお話しします。

結論から言えば、「官主導の文化事業に、ロクなものはない」からです。

そもそも「マンガ甲子園」で選ばれる作品に、心底面白い作品があるのでしょうか?本家の甲子園同様「ああ栄冠に涙あり」的な、いかにも小役人が喜びそうな作品が選ばれて、暴力や犯罪等を題材にした作品は「高校生らしくない」として除外される。かくして通り一辺倒な作品ばかりが蔓延って、本当に面白い作品が埋もれてしまうわけです。(尤も始めっから甲子園なんて相手にしてない子が多いのも事実だけどにぃ)

そんな中で漫画家や出版社とのコネを培っても、どの程度のものか想像がつくし、だいいち漫画家のコネなどアテになりません。せいぜい自分が連載に穴を開けた(休載した)時のピンチヒッターに使おう位が関の山です。(稀に代打とレギュラーが逆転する事もありますが)

企業家とクリエイターの出会いの場をセッティングして、クリエイターがどんなに熱く自作について語っても、見込みがなければ「ハイ、それまでよ」ってなもんだし、アドバイザーの紹介なんてのも胡散臭い。そもそも何をアドバイスするんでしょうか?その報酬も県民の税金から、ドンブリ勘定で支払われるのでしょうか?ちなみに最初に報酬の話をするアドバイザーは、まず信用できません。何の世界でも。

ネットや携帯配信中心で展開しても、主要プロパイダーが東京・大坂に集中してる以上、そっちの意向は無視できないし、そうなるとこのブログで何度も取り上げ、これからも取り上げるであろう例の条例が浮かび上がって、制作面における足カセとなるわけです。で、明日はそっち方面にも関する話をします。

2010年5月16日 (日)

高知県のマンガ課(上)

変換の際の誤植でこうなったのではありません。高知県庁にこの4月から「マンガ課」(正しくは「まんが・コンテンツ課」)という部署が出来たのです。

これは今日の読売新聞朝刊が伝えたものであり、それによるとこれまで行なってきた(そして今後も行なう)「マンガ甲子園」のような文化振興策ではなく、マンガを産業化して経済振興に結び付けようという物です。ネットや携帯を使ったデジタルコンテンツ中心にすれば、地理的なハンデは克服できるし、「マンガ甲子園」を通じて培った出版社や漫画家とのコネも活かせる。企業家とクリエイターが出会う場を設け、事業化に向けた官民一体の連携組織を作り、県はコネを生かしたアドバイザーの紹介や、補助金などで支援する。これが高知県の描くマンガ産業化なんだそうです。

初代の「マンガ課長」(ってこの肩書きも何だかなぁ。青森県の「りんご課長」とどっちが偉いんでしょう?)は読売の取材に対し、「マンガ王国・土佐をブランド化し、年商20億円産業に育てたい」と息巻いてます。その心意気やよしと言いたい所ですが、結論から言えば、おそらく失敗する思います。明日はそれについてお話ししたいと思います。

2010年5月14日 (金)

画力のお題

今月23日に歌舞伎町のロフト・プラスワンで行なわれる「西原理恵子の人生画力対決10」(ゲストは若杉公徳と村上たかし。既に切符完売)。そのお題をビッグコミックスペリオールのサイバラ担当八巻記者が、自身のツイッターで募集してます。

去年5月の第1回目(ゲストは藤子不二雄Ⓐと国友やすゆき、なぜか最後にちょっとだけ岩井志摩子)以来、何度も行こうと思っていたのですが、なかなか時間が取れずたまに時間が取れても切符が即完売したりと、ロクな事がなく半ばあきらめかけていたのですが、何とか今回は切符を取れました。(でも番号が3ケタなので、かなり見ずらいかも)

最近思うんですけど、ロフト・プラスワンって明らかに店員の質が劣化してるような気がするんですが、気のせいでしょうか?しかもあんな狭い店に、明らかに定員オーバーな位客押し込んで。これで事故になったら、誰が責任とるんでしょうね?

ま、細かい事を気にしてもいまさらな気もするので、当日は普段以上にバカになって楽しんできたいと思います。

ちなみに勝手ながら、明日の更新はお休みします。ご了承下さい。

2010年5月13日 (木)

カレチ 第12話

久しぶりにモーニングに鉄道マンガ『カレチ』が掲載されました。前回の掲載が3月25日でその時のブログでは「次は4月22か28日」と大ミエ切ったのに、それから2~3週間もオーバーしてしまいました。さすがに1ヶ月以上間が空いた事もあってか、今回のトビラには「読み切りシリーズ」と銘打たれてあります。

今回のサブタイは「誤乗」。読んで字の如く「乗る列車を間違えてる事」ですが当然、故意に間違えてる事、言わゆる「キセル」もその中に含まれます。それをやらかすのは大人だけとは限りません。子供がそうする事もあるのです。

昭和48年(1973年)5月、岩国に住む少年が下関に引っ越した友達と、一緒に電車で関門トンネルを超えるという約束を果たす為、特急「しおじ」に「誤乗」します。そこで乗務中の荻野カレチに事情を説明して、下関まで行こうと画策するのですが、いろいろあって見破られてしまいます。鉄道公安官(現、鉄道警察隊)に引き渡すよう命じる安斉チーフ(車掌長)に対し、我らが荻野カレチの人情裁きの結果は如何に。

今回も硬券・改札鋏・黒電話といった懐かしアイテムがてんこ盛りですが、個人的にグッと来たのは「しおじ」の1号車・クロハ181です。その原車はご存知の通り、かつて特急「つばめ」が電車化された際、従来の展望車に代わるパーラーカーとして連結されたクロ151です。もちろん筆者も模型や写真・映像でしか見た事はありませんが、作中ではこの車両が効果的に使われており、単なる「懐かしの名車の顔見せ」で終わらせない作者の非凡さが伺えます。他にも先年、放火で焼失した下関駅の三角屋根の駅舎もワンカットながら登場します。

「誤乗」から37年後の平成22年(2010年)。折しも各地の鉄道会社で、社員によるキセルが相次いで発覚してますが、果たして今回の作品はそれに対する作者なりの回答なのでしょうか?そして彼らに対し荻野カレチはどう声をかけるのでしょうか?

2010年5月12日 (水)

八戸の「はやぶさ」

徒競争で7位の選手が主催者側の理想のフォームで走ったので、1位の選手を差し置いて金メダルを貰ったら、果たしてそれは公正なものと言えるだろうか?おそらくほとんどの人が「八百長だ!」「競争をやり直せ!」となるのはだれの目にも明らかです。

JR東日本が東北新幹線の新青森延長に伴い募集した愛称に、「スピード感がある」というもっともらしい理由で7位の「はやぶさ」が、1~3位の「はつかり」「はつね」「みちのく」を差し置いて決まったと聞いた時、おそらくほとんどの人が同じような感想を抱いたのではないのでしょうか?しかも「はつね」はさておき、「はつかり」「みちのく」は過去に東北特急の愛称として使われた経緯もあるので、東海道経由で九州に向かってた寝台特急の「はやぶさ」より東北にちなんだ愛称だけに、なぜこんな事になったのかわかりもはん。

知人のブログにも同じ事を書きこみましたが、列車の愛称は登録商標ではないので、よそで廃止された列車の愛称を違う会社で使うのは、法的には違法行為ではないのかも知れません。しかし企業としての倫理観はいかがなものでしょうか?廃止された寝台特急の名前でも付けとけば、鉄ヲタなんかどうにでもなる。募集なんてアリバイ作りでやってんだとでも考えてるのなら少なくとも筆者は、青森へは在来線かバスか飛行機を使って行こうかと思います。

それと何で4~6位と8~10位の愛称は公表されてないんでしょうか?まさか八戸にちなんで「ふじかわ」「ゆり」とかいう美人過ぎる愛称(´,_ゝ`)や「まえはら」なんて言う鉄ヲタでお子ちゃまな愛称が殺到したからっってんじゃないんでしょうねぇ。この分だと北陸新幹線や長崎新幹線にはどんな愛称が来るんでしょうか?

2010年5月11日 (火)

中国の監獄鉄道

昨日発売の週刊プレイボーイ5.24号に、中国・四川省広元市郊外の「監獄鉄道」(正式名称不明)の記事が掲載されました。

何でも囚人を刑務所から約6km離れた炭鉱まで移送するのに、ナローのSL列車が使われてるのですが、無蓋車にも囚人が乗ってたり(しかも写真で見る限り、監視もない)、本来、囚人専用の客車(ドアに監獄工作人員専用車の表記あり)に一般人が乗車できる(移送がない時のみ)など、今一つ緊張感に欠ける一幕も。それでも本来、撮影禁止であり公安が飛んで来るのはやはり中国。そして「カネを払えば安全に撮影させてやる」という官の売り込みも、また中国。

こういうのは文春や新潮が得意とするネタなので、まさかプレボで読めるとは思いませんでした。この分だとまだ隠し玉がありそうな予感もするし、今後も要注目でしょう。

2010年5月10日 (月)

ニートの星クズと34歳の「ちゃん」

昨日のブログで「ここで一票、キヨシ」と書いていたらやってくれましたねぇ、立ち上がれ日本。次は杉村太蔵ですか。

かつて北海道1区からの衆院選出馬にこだわりながら、勝ち目がないと見るや敵前逃亡。以来失踪説やヒッキー説、果ては離婚して自分探し説等が浮かんでは消え、このまま世間からドロップアウトするのかと思いきや、こんな所で名前を聞くとは・・・結局この男、議員バッジがもらえればどこでもいいって事な訳で、正真正銘のお子ちゃまだった事がバレたとしか言いようがありません。

しかし迎え撃つ民主党も負けてはいません。ニャンとあの谷亮子を担ぎ出すとは、一体何を考えてるのか。しかも現役続行とは、こちらもとことん国民をナメてますな。それにバカさ加減ではこちらもタイゾーといい勝負です。何しろ民主党からはある意味「プロトタイプ・タイゾー」とも言うべき、あの男も出るのですから。

池谷幸雄

かつて「ジャッキー・チェンになりたい」とかホザいて、信号機で鉄棒やって事務所クビになり、デキ婚した元タレントとは不倫が原因で離婚。ヒモ同然で再婚した年上女実業家とも、やはり女性問題が原因で離婚。以来世間から遠ざかり、すっかり「あの人は今」の常連と化してたのが、いつの間にやら公認候補に。谷亮子はこんなちっとも学習しないクズ同然の筋肉バカと、同レベルで世間から見られるという事を、承知の上で出馬したのか?あ、考えてないから出馬したのか。いい加減止めなさいよ、ヤワラちゃんの旦那さん(と言われるとブチ切れるらしい、事実なのに)

2010年5月 9日 (日)

ここで一票、キヨシ

正式な発表は明日以降ですが、元巨人選手・コーチの中畑清氏(56)が、立ち枯れもとい「立ち上がれ日本」から比例区で立候補するとの事です。

おそらく現役時代の知名度もさることながら、プロ野球選手の労組である「日本プロ野球選手会」の初代会長というキャリアも重視されたのだと思いますが、これが絵に描いたような御用組合だった事は、その後の歴史が証明してます。

巨人OBでは既に堀内恒夫前監督が比例区、石井浩郎氏が秋田選挙区でいずれも自民党から立候補しますが、かたや巨人史上唯一の優勝未経験監督(その意味では自民党総裁だけど総理じゃなかった、河野洋平や谷垣禎一・現総裁に通じるものがある)、こなた現役時代よりも、引退後の離婚スキャンダルが大きく報じられただけの人。そして中畑氏と、球界で再就職できないから、取りあえず出馬というのがミエミエ。

そういえばこの3人、現役・コーチ時代はバリバリの長嶋派でしたが、イザとなったらミスター(長嶋巨人終身名誉監督)を応援演説に呼ぼう、最悪でも一茂くらいなら来てくれるだろうという思惑でもあるのでしょうか?来ても勝てると思えないし、それ以前に炎天下に70過ぎのジイサンを引っ張り出すのは危険というのが、予測できないのでしょうか?

人間的にはどうかと思うが、この手の話で必ず名前が上がる星野仙一元中日・阪神監督が賢いのは、出馬しない事で自身の価値を高めてる事です。待望論が出てる内が華で、当選しても出たらオシマイというのが判ってるから出ないわけで。

かつてアニメの『がんばれタブチくん』で「ゼッコーチョー!」と叫びながら燃える絶好鳥(調)となって、最後は燃え尽きた中畑氏。現実の世界でもそうなる前に、出馬を取り止めて欲しいのが、元ファンの気持ちです。なお、長嶋氏と選挙応援をめぐる因縁については『Gファイル 長嶋茂雄と黒衣の参謀』(武田頼政著 文藝春秋刊)に詳しく載ってるので、興味のある方は読んでみて下さい。

2010年5月 8日 (土)

見えないケンカは、ほどほどに

遊びに行った帰りに都内某駅のホームで電車を待っていると、何やら騒がしい声が聞こえてきました。

「お前、そういう言い方はないだろ? あ?」

どうやら誰かとケンカをしてるようなので、一応声のした方まで行ってみました。

「知らねぇよ、んなの。T島さん捕まえて聞けゃ分かんだろ? 違うか?」

最初から話を聞いてないので何とも言えませんが、どうやら鍵を握ってるのは「T島さん」なる人物のよう。早く来て、T島さん(って誰だよ)

おもしろそうなのでしばらく見物。ウワサには聞いていましたが、かくも醜悪なものだとは実物を見るまで思いませんでした。携帯に向かって脇目も振らず怒鳴りまくる男。

さすがに人が10人近く寄って来たので、バツが悪いと感じたのか、携帯男は「また掛けるかんな、覚えとけよ!!」と言って携帯を切り、「あっち行け!見せ物じゃねーぞ、オラ!」と悪態をついていましたが、十分過ぎる位見せ物です( ̄ー+ ̄)

と言うわけですから、皆さんも携帯でケンカをする時は、メールにした方が周囲に迷惑をかけずにすみます。ま、一番いいのはケンカしない事ですが。

それにしても近くを車掌が通っていながら、何の注意もしないのはいかがなものかと思います。せめて「他のお客様の御迷惑になりますので、もう少し小さな声でお願いします」と言うべきじゃないでしょうか。もしそれで何かあったら、乗客・乗務員の安全確保の為に取り押さえて駅務室に連れて行き、警察に連絡するという手もあるんですからねぇ、KO電鉄。

2010年5月 7日 (金)

さらば、たいやきくん(もちろん店は、やってます)

1975(昭和50)年のヒット曲『およげ!たいやきくん』のたいやき屋さんのモデルとして知られていた、麻布十番「浪速屋総本店」の三代目・神戸守一さんが、お亡くなりになられました。

浪速屋はたいやきの元祖として知られていますが、それを一躍有名にしたのはやはり、前述の『たいやきくん』でしょう。コック帽に蝶ネクタイというスタイルは守一さんが園遊会に招かれた際、失礼のないようにと言う事で考案されたものですが、この歌で定着したと言っても過言ではありません。

しかし、守一さんが多くの人に愛された最大の理由は、その「たいやき愛」ゆえでしょう。ブームとなってからも一度に大量に焼ける「連式」(スーパーの駐車場で見かけるヤツ)の導入を拒み、一匹ずつ丁寧に焼き上げる「一丁焼き」へこだわったのは、「お客さんにきちんとしたものを出したい」という、真摯な気持ちが十分にこめられたものだったのです。(ちなみに浪速屋と並んでたいやき御三家と称される、四谷「わかば」と人形町「柳屋」も一丁焼きです。いずれも皮がパリパリで、しっぽの先まであんこが詰まってます)

現在、店は御子息が四代目を継がれてますが、守一さんのリズミカルで無駄のない動きと「少しこげあるたいやき」はこれからも、伝説として語り継がれていく事でしょう。享年86。謹んでご冥福をお祈り致します。合掌。なお、浪速屋のたいやきヒストリーについては、『元祖探訪 東京ことはじめ』(田中聡著 祥伝社黄金文庫)に掲載されてるので、興味がある方は読んでみる事をお勧めします。

2010年5月 6日 (木)

ちゃんこダイニング若、破産

民間の信用調査機関、帝国データバンクは今日元横綱・三代目若乃花の花田勝氏が経営する飲食店「ちゃんこダイニング若」を運営する、ドリームアークの破産を発表しました。負債総額は4億4700万円だそうです。

一時は破竹の勢いで店舗数を拡大してきましたが、ここ数年は従業員への給与未払いなどダーティーなイメージが先行してしまい、正直まだやってたのかという印象です。ちなみに店の公式HPでは今回の倒産劇について、現時点では何もコメントしてません。

そうなると気になるのがもう一つの元横綱のちゃんこ屋「ワールドちゃんこ朝青龍」。さすがにこの件ではコメントしてませんが(するわけないか)、ちゃんこ業界で勝ち組と言われても業界の地図が狭いので、正直「別に・・・」といったところです。

現役時代はワザ師として数多くの巨漢力士を土俵に沈めてきた若乃花ですが、不況という巨大な敵には勝てなかったようです。

2010年5月 5日 (水)

さらば300系・100系

既に新聞報道などでご存知の方も多いと思われますが、JR東海が現在「ひかり」「こだま」で使用してる300系新幹線を、老朽化の為2012(平成24)年3月末での引退を、発表しました。

一方、JR西日本も元二階建て新幹線で現在は「こだま」で使用中の100系新幹線を、やはり2012年度中に引退させると、発表しました。

かたや名古屋すっ飛ばして250kmの壁を破り、こなた最盛期には4両の二階建て車両を連結して、いずれも新幹線新時代を印象付けながら、人気面で0系の持つなごみ度に勝てなかった。個人的にはそんな印象を受けます。

幸いな事に300系も100系も、2011(平成23)年度に開館予定のJR東海博物館の保存車両リストにその名がありますが(もちろん0系もある)、速く走る為に生まれ、走れなくなるとその命を終える鋼鉄のサラブレッド達に、最後のエールを送る時が近づいているのは、何とも残念な限りです。

2010年5月 4日 (火)

機関車トーマスと英国鉄道遺産

一昨日に引き続き連休中にお勧めの本をご紹介します。

ネット局が代わっても未だ大人気の『きかんしゃトーマスとなかまたち』ですが、その原作がイギリスの絵本である事はよく知られています。しかしほとんどの日本人は残念ながら、トーマスの世界は絵本とテレビにしか存在しないと思っているのもまた事実。しかし、誤解を恐れずに言えば、トーマスの世界は実在します。

これは「デイアウト・ウィズ・トーマス」というイベント。トーマスに登場する機関車のモデルになった(もしくは形が似てる)機関車の前面にお面を付けて絵本の世界を再現する、一種のキャラクターショーですが、本物の機関車が演じてる(?)だけあって迫力満点。もちろん遊園地ではなく、実際の鉄道線路上で行なわれます。

こんな話が満載なのが、『機関車トーマスと英国鉄道遺産』(秋山岳志著 集英社新書)です。といってもいわゆるガイドブックではなく、トーマスが生まれた背景にはイギリスの鉄道遺産の存在があった事や、原作者ウィルバート・オードリー牧師の、生涯をかけた鉄道への思い。とりわけ世界初の保存鉄道であるタリスリン鉄道やブルーベル鉄道、マン島の鉄道遺産(いずれもトーマスの舞台であるソドー島鉄道のモデルとされる)との関わりなどについても、細かく説明しています。

特にオードリー牧師に関しては、これまで書かれたトーマス関連本の中で最も詳細な本と言えるでしょう。本人の伝記が未訳と言う事もありますが、物語のきっかけが幼い息子の為に考えた即興の話だった事や、出版を進めたのが夫人である事。度重なる画家交代や原作者ゆえの悲しみ。果てはスティームトラムのトビー誕生のきっかけとなったのは、家族旅行で偶然出会った同じ形の機関車だった事(このエピソードは原作に反映される)などは、正直初めて知りました。

著者の秋山氏は特に鉄道や児童文学の専門家ではなく(むしろ運河や水路に詳しい)、トーマスについても息子さんを楽しませるために買ったのがきっかけとの事ですが、それもどこか前述のオードリー牧師のエピソードを彷彿とさせるものがあります。それゆえに終盤、イギリスと日本の鉄道博物館を比較して、日本の鉄ヲタが言いたくても言えない核心を突いてきます。

折しも今年はトーマス誕生65周年という事で、日本生まれの機関車ヒロ(モデルは某有名SL もちろん原作には未登場ですが、何で狭軌1067mmの機関車が標準軌1435mmの上を走るんだというツッコミは野暮)が話題になってるようですが、この本を読む事で「大人の機関車トーマス」について知るのもいいかも知れません。

なお、もっとイギリスの鉄道遺産を知りたいという方には『英国保存鉄道』(笹田昌宏著 JTBキャンブックス)をお勧めします。これを読むと、ますます日本の鉄道文化レベルの低さを思い知ります。お子ちゃま大臣も幹事長批判して、アメリカに新幹線売り込んでる場合じゃありません( ´,_ゝ`)

2010年5月 2日 (日)

幕末時代劇、「主役」たちの真実

「5連休の2日目、皆様どうお過ごしでしょうか?」とNHKのアナウンサーみたいな語りかけで始まりましたが、カネもなく出無精の筆者は本ばかり読んでダラダラ過ごしています。そんな中で明日本屋に行ってすぐ手に入りそうなオススメの本を何冊か紹介していきます。

で今日は『幕末時代劇 「主役」たちの真実』(一坂太郎著 講談社+α新書)。映画やテレビの幕末物を参考に、明治から21世紀までそれぞれの時代で大衆の抱いてきた幕末維新像を振り返った力作です。

最初の幕末時代劇(もちろん舞台)は龍馬でも新撰組でもなかった話から始まり、ご存知鞍馬天狗や月形半平太といった「おめぇ、実在しねぇじゃん」(Ⓒほりのぶゆき)とツッコまれる架空のヒーロー達。新撰組や龍馬のヒーロー伝説化、銀幕の幕末維新劇、大河ドラマや年末スペシャル時代劇、司馬遼太郎の死など興味深い話が満載。これ1冊でヒーローの作り方が手に取るように分かります。

登場する作品も『大菩薩峠』『(アラカンの)鞍馬天狗』『侍ニッポン』といった古典作品から、『幕末太陽伝』『新撰組始末記』『人切り』。大河ドラマなら第1作目の『花の生涯』から失敗作『龍馬がゆく』もっと失敗作『獅子の時代』を得て『跳ぶが如く』『新撰組!』そして『龍馬伝』。平成以降の映画なら『御法度』『壬生義士伝』『ラスト サムライ』『北の零年』『長州ファイブ』とどめは未だDVD化されてない封印作品『徳川一族の崩壊』まで、他にもいろいろ目白押し。お腹一杯になってもあきません。

著者の一坂氏は、萩博物館の高杉晋作資料室長という言わば幕末史のプロ。それゆえに堅苦しい印象を受けますが、これだけの作品を引っ張り出してきただけでも、その功績は大です。しかし近年の作品の低レベルぶりに対しては、「いつまで龍馬と新撰組に頼るんだよ」と苦言も呈しています。これも幕末愛ゆえでしょう。

そう言えば今日放送の『龍馬伝』はヒドかったですね。大坂にうどん屋じゃなくてそば屋があるのはともかく、島津久光の肩書きをなってもいないのに「薩摩藩主」とは・・・せめて「薩摩国父(事実上の薩摩藩主)」とすべきでしたね。過去の幕末物とか見てないのかしらε-( ̄ヘ ̄)┌

2010年5月 1日 (土)

鉄を捨てよ、街に出よう(でも寺山修司は関係ない)

最初にお詫びと訂正から。

4月29日のブログで「歌舞伎座が出来たのは昭和5年(1930年)」とお伝えしましたが、昭和25年(1950年)の間違いでした。20年もズレてますねm(. ̄  ̄.)m

で、ここから本題。今日発売の読売新聞夕刊は、「鉄道むすめ街に出る」と題した記事を載せてます。埼玉県久喜市の酒屋で、鉄道むすめの「栗橋みなみ」のラベルの酒やワイン、ミネラルウォーターが人気で、店は全国各地から訪れるファンの集いの場(むしろ聖地)になってるとか。

記事には「複数の鉄道会社から、制作依頼が寄せられてる」というトミーテック担当者のコメントを載せてます。しかしいつも思うのですがこの手の企画物の場合、貨物鉄道は対象外なのでしょうか?全ての鉄ヲタが「ロリプリ萌え」というわけでもないでしょうに。1社くらい「身長180cm 体型セミマッチョ 気は優しくて力持ち 細かい事は気にしないが、悪い事するヤツは許さない」というのがいてもいいような気もするのですが( ̄◆ ̄;)

あるいは廃線や廃止された列車をモチーフにした「昔鉄道むすめ」とか。あえてセピアやモノクロでフィギュアを出すのも、新鮮味があっていいかも知れませんぜ、ダンナ(って誰に言ってんだよ?)。そのうち一部の特殊なお客様の為に、「鉄道オトコノ娘」というのも出てきたりして。ちなみに筆者はそういう趣味はありません。念のため(/ー\*)

« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »