文化・芸術

2017年10月31日 (火)

そういや今日はハロウィンだった

なんか去年に比べると、それほど盛り上がってるようには思えませんでしたね、今年のハロウィンは。テレビで渋谷のスクランブル交差点の様子を見たけど、コスプレイヤーが整然と歩いているだけで、ある意味シュールでした。

大規模な割に盛り上がらなかったのは、週末は台風が近づき、その後はトランプが来るおかげでお巡りの数が去年より多かったからでしょう。(おかげで駅のゴミ箱が撤去されたり、封印されたのがスゲームカつく)。まぁ子供は無関係に盛り上がってるのですから、来年からは近所でお家ハロウィンというのが、主流になるのかも知れません。元々ハロウィンってそういうもんだし。

ところで来年からはゾンビやマッドナースのコスプレは、減ると思います。だって某所で『ロング・ハロウィン』みたいな事が起きたし。

2016年10月15日 (土)

村上ハルキ(スト)の憂鬱(何回目なんだ?)

今年もダメでしたね。今年も村上春樹氏は、ノーベル文学賞を逃しました。しかもその代わりがボブ・ディランって、いくらなんでもそれはないだろうと、素人目にも思います。もちろんディランがミュージシャン、アーティストとして超一流なのは言うまでもありませんが、作家として小説を発表した事はないのだから、文学賞はかなりこじつけだと思います。その事は本人が未だコメントしてないことでも明白でしょう。

で、村上氏に関しては15年10月9日のブログで書いた時と状況が変わってないので、筆者から特にそれ以上いう事はありません。まぁJ‐CASTニュース二階堂ドットコムでは、なぜ受賞出来ないのか報じてるので(二階堂ドットコムの方は、別の有料サイトへの登録が必要だが)、そっちを見た方がいいと思います。

こうして見ると村上春樹と稀勢の里は、非常に似通ってると思います。どちらも周囲の期待が大きすぎて、最後は尻すぼみになるという点では。いっその事ノーベル文学賞と横綱昇進、どっちが先かを賭けの対象にした方が、イギリスのブックメーカーも儲かるんぢゃないでしょうか。あ、無理か。イギリス人は余程の日本通でないと相撲知らないし。

それにしてもハルキストの皆しゃんは、いつまでこんな事続けるんですかねぇ?もうすっかり秋の年中行事のような気がします。で、その次はボジョレーヌーヴォー解禁と。筆者にはどっちも縁がないからいいんですけどね。

2016年9月 6日 (火)

処分するなと言われても

J- CASTニュースに掲載された、石川県穴水町の町立図書館が寄贈本約2000冊を破棄した問題は、単純に担当者の認識不足だけでは済まない問題を抱えてます。でも一方的に町や当事者を叩くのもどうかと思います。

そもそも地方の、それもおせじにも予算が豊富とは言えない町で、こうした貴重な本を維持できるかと言えば、まず無理でしょう。県や市レベルじゃないと、図書館司書の資格持ってる人は雇えないし。そうでなくても新しい本が入ってくれば、利用頻度の低い本は方法はさておき処分されるの分かってんだし。どうしても手に負えないんだったら、大学や研究機関、あるいは専門図書館に依頼するか、最低でも鑑定士を呼んで希少性の有無を確認した上で、古本屋に売ったほうがいいかも知れません。

筆者も絶版本や希少本を何冊か所有してますが、その行く末はやっぱきちんとした所に寄贈するか、売るかのどっちかだと思います。少なくとも地元の図書館に寄贈はしません。

2015年12月10日 (木)

アキユキ・ノサカ・ノー・リターン

野坂昭如さんの訃報を聞いた時、「もうそんなになったか」というのが正直な気持ちでした。2003年(平成15年)に脳梗塞で倒れてからも、執筆を続けられていたのですが、表舞台に出る機会が減っていた印象は否めません。ある意味電波時代のカリスマだったからでしょうか?

子供の頃学校で『火垂るの墓』のアニメを見せられ、その事を帰宅してから父に話すと「昔はCMでソクラテスの歌とか歌ってたのになぁ」と言われたのが、妙に印象に残りました。その後元ネタのCM映像(サントリーゴールド900)をあるイベントで観た時は、本当に爆笑しました。同じイベントでは『題名のない音楽界』で明らかに二日酔いの状態で『マリリン・モンロー・ノー・リターン』歌ってる(しかも一回やり直してるし!)映像も見られたので、これも爆笑しました。今からでも遅くないからクロード野坂(野坂氏の歌手名)のベストアルバムとか、出ませんかねぇ。あとサントリーゴールド900の限定復刻も。

その後しばらくたってから、『おもちゃのチャチャチャ』やハトヤのCMソングの作詞を手掛けたのもこの人だと聞いて、改めてその軽妙かつ洒脱さに舌を巻き「ひょっとしたらこの人は高杉晋作の生まれ変わりじゃないのか?」と、本気で思うようになりました(史実の高杉も居合い斬りの後で、度々逸を奏でるような面があったので)

反戦についての思いは『火垂るの墓』やリテラを見て頂くとして、J-CASTニュースでも触れられてる、大島渚監督との殴り合いも伝説になりました。普段平和を唱えてる人がマジギレするとどうなるかという、いい見本でしょう。今頃は天国で第2ラウンドが始まってるのかも知れません。享年85。謹んでご冥福をお祈りいたします。合掌。

それにしても前述のソクラテスの歌、最後の「とんとんとんがらしの宙返り」の意味が本当に分かりません。気が付いたら戦争が始まってるという「新潮45」での最後のコラムより、こっちの方がずっと気になります。

2015年10月 9日 (金)

村上ハルキ(スト)の憂鬱

三度目の正直とはなりませんでした。昨日発表されたノーベル文学賞を村上春樹氏は、またしても逃す羽目になりました。しかし、そんな事言ってんのは世界でも日本とイギリス位でしょう。そのイギリスだってブックメーカー絡みだし、となると心底悔しがってるのは日本だけという事になります。

しかし、村上氏は本当にノーベル賞候補なのかという疑問は、常に付きまといます。実際、リテラの記事にもある通り、その人が実際に候補かどうかはその年から50年経たなきゃ分からないわけですから、村上氏がホントにノミネートされてるかは、2060年代になるまで不明のままです。他にも日本ペンクラブの会員でないとか(川端康成と大江健三郎は会員だった)、作品が純文学じゃないからとか、いろいろ興味深いネタが出てきます。そういえば谷崎潤一郎が候補だったと明らかになったのも、最近でしたな。

まぁ筆者は『ノルウェイの森』も、『ねじまき鳥クロニクル』も、『海辺のカフカ』も、『1Q84』もさほど読んでないので、ハルキストの皆さんがこの時期になるとハイになるのが、よくわかりません。結局のところ村上春樹を肴に酒飲みたいだけぢゃねーの?というのが、真相かも知れません。少なくとも本人は「くれ」とは言ってないんだし(言うわけもないが)

2015年8月 6日 (木)

さらば阿川弘之さん

既にご存じの方も多いと思われますが、J-CASTニュースによると作家の阿川弘之さんが、老衰で亡くなられたとの事です。

11年1月11日のブログで書いたとおり、阿川さんは90歳を機に作家活動から引退され、その後は公の場に出る事もなくコメントすら出しませんでした。今年は戦後70年に加え、安保法制を巡るキナ臭い空気も流れているだけに、ぜひとも語って欲しかったのですが、それが実現出来なかったのは残念でなりません。

尤もこの人の海軍贔屓・陸軍嫌いは、元海軍中尉という経歴ゆえのものですが、文章がうますぎて「海軍善玉論」が定説化したのは、ちょっとどうかと思います。実際は海軍も優柔不断だったんですけどねぇ。

海と鉄道をこよなく愛した阿川さん、今頃は天国行の船か列車に乗っているのかも知れません。享年94。謹んでご冥福をお祈りいたします。合掌。


2015年7月 6日 (月)

外交破れて遺産あり

13年9月14日のブログで報じた『明治日本の産業革命遺産』は、形の上では韓国が折れた事で世界文化遺産への登録が決まりましたが、予想通り強制労働を巡る解釈に、日韓の温度差が残る結果となりました。

J-CASTニュースによると、安倍ちゃんの最大の支持層であるネトウヨ君達が「第2の慰安婦問題」として日本外交の敗北を声高に唱えてるとの事です。安倍ちゃんにすれば「世界遺産にしたのに何で?」と言うところでしょうが、これまでの日韓関係悪化の流れを考えると、こうなる事わかってたのにねぇ。しかもこれで日本は、来年韓国が登録を目指す「百済歴史地区」のアシストをやらざるを得なくなったわけで、その為に今からヒーコラ言うのが見えるようです。

ヤフコメでも「こんな事になるなら、今回は見送りで良かったかもしれないと思えてきました」「そこまでして世界遺産に登録しなくてもよかったと思うぞ」「先が思いやられる」といったコメが並びました。筆者も登録そのものは喜ばしいのですが、禍根を残したという意味では同意見なので、今回キタコメはありません。

ちなみに言っときますけどね、地元のみなさん、世界遺産バブルなんてせいぜい1~2年位しか持ちませんよ。観光客なんてTDRやUSJに行くのと同じ感覚で足運んで、やれ道が混んでる、メシが高い、トイレが少ない、みやげが似たようなのばっかりとかギャースカ文句言うの決まってんですから。ま、筆者のようなひねくれ者としてわ、その方がゆっくり自分のペースで見学できていいんですけどね。


2014年4月26日 (土)

富岡製糸場、世界遺産へ内定も・・・

読売新聞によると、群馬県富岡市の「富岡製糸場と絹産業遺産群」が6月にも世界文化遺産に登録される都の事です(以下引用)

富岡製糸場、世界文化遺産へ…富士山に続き
政府が世界文化遺産登録を目指す「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)について、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」が登録をユネスコに勧告した。

文化庁が26日未明、発表した。6月にカタールのドーハで開かれる世界遺産委員会で正式決定される見通しだ。

国内の世界文化遺産は、昨年登録された「富士山」(山梨県、静岡県)に続いて14件目となり、日本の近代化遺産としては初めての登録となる。

遺産群は、明治政府が設立した初の官営器械製糸場である富岡製糸場(富岡市)を中心に、近代養蚕農家の原型とされる「田島弥平旧宅」(伊勢崎市)、養蚕教育を行った「高山社跡」(藤岡市)、自然の冷風で繭を低温貯蔵した「荒船風穴(あらふねふうけつ)」(下仁田町)の4施設で構成される。フランスの工業技術を導入し、独自に発展させた養蚕技術と組み合わせて高品質な生糸の大量生産を実現。日本の生糸輸出を1930年代に世界市場の約80%を占めるまでに育て、世界で絹の大衆化に貢献した価値を、推薦書で訴えた。(引用ここまで)

12年7月12日のブログで世界遺産への推薦を報じてから1年9ヶ月、予定通りといった所でしょう。これで上信電鉄の売り上げも少なくとも1年はアップするでしょうし、その浮いたカネでデキの維持費も捻出できるというわけで。反面、碓井峠鉄道文化むらや碓井第三橋梁(めがね橋)を有する安中市は、遺産群から外れてしまった為にそのおこぼれにすがるのが難しくなりました。ほとんどの人は製糸場とその周辺だけ見て帰るだろうし。

そのせいかヤフコメでも今回は「目出度さも、中くらいなり何とやら」というコメが目立ちました。曰く「最近、世界遺産が増えすぎてありがたみがなくなってきたような…『モンドセレクション金賞化』しないといいが」「野麦峠を越えてやってきた女工さんの、涙と汗も忘れないでよ」「正直こういう『~遺産』商売好きじゃない」「世界遺産とかギネスとか好きですね。海外ではどちらもこんなに騒がれませんよ」といった感じですが、今回キタのは2つ。

「世界遺産とか大騒ぎするのはもう止めようや。登録してもしなくても、いい物は良いし、ユネスコの評価はただの
一団体の評価なんだから。日本人は海外の評価で初めて騒ぐが(石見銀山とか)、日本での評価がまず一番大事でしょ。ユネスコ以前に歴史的価値などを国民が認識していくのが大事。単なる観光資源で終わらせてはならない」

「世界遺産にしたい地方自治体は、本当にその遺産を価値があるものとして捉えているのか。これはどの地方自治体に対しても思っている事だが、単なる観光資源としてしか捉えていない。世界遺産にすることで、今までのような生活や活動が出来なくなる事も、登録を維持するための管理経費が掛かって財政を圧迫したり。そういうリスクを負っても「遺すべき財産」と考えての登録推進なのか。一度きちんと考える時期ではないのか」

石見銀山の世界遺産登録は、世界史の中における日本の銀が果たした役割と、その影響が評価されての事ですし、白川郷のように普段の生活圏が脅かされるとして、世界遺産なんかなるんじゃなかったと考えてる所もあります。何よりどことは言わないけど、雇用が促進されると言いながら、実際は外部から来た業者にカネが落ち、地元には落ちない。だけど法人税はたっぷり入って来るから自治体は儲かるという公式が、とある世界遺産を構える場所で実際に起きてます。ここでも同じ事が起きないとは言い切れません。

登録自体は素直に喜びたい半面、こうした問題点を先送りにしたままだと、あっという間にバブルは弾けてシャッター通りに逆戻りとなりかねないだけに、地元にはバブルに浮かれず後世にきちんとした形で残していくという、しっかりした対応が求められています。その内、野麦峠やら女工哀史やらを盾に、戦時中に強制労働させられた分の賠償金を払えとか言い出す、自称・元女工に集団訴訟起こされない為にも。

2013年9月14日 (土)

「明治の産業革命遺産」世界文化遺産へ

読売新聞によると、政府は「明治日本の産業革命遺産」(福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島・山口・静岡・岩手)を、週明けにも世界文化遺産として推薦する方針を固めたとの事です。早ければ2015年(平成27年)の登録を予定してるとの事です。

文化庁が推薦してきた「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎・熊本)を差し置いて、政府の有識者会議の意見が尊重されたとの事ですが、果たして内部でどのような暗闘があったのかは知りません。まぁ、「キリスト教関連遺産」だと影響力が限定されてるから、世界遺産としてはどうかという判断が動いたのでしょう。ちなみにこの両者、「日本遺産」の候補でしたな(5月14日のブログ参照)

尤も「長崎造船所のジャイアント・カンチレバークレーン」のような現役施設はさておき、松下村塾や萩の城下町が産業遺産と言われても、正直ピンと来ません。おそらく尊王攘夷の安倍ちゃんが、長州恋しで入れさせたのかも知れませんが、それだったら大阪の適塾やよその城下町だって入れなきゃおかしいし、佐幕派なら「韮山反射炉」(静岡)より、「横須賀造船所」(神奈川)の方が、その後の産業経済に与えた影響は大きいと思うのですが、入ってません。米軍基地内の現役施設だから、遠慮したのかも知れませんが、いつ推薦するのかと言われたらそれこそ「今でしょ!」というのは、余計なお世話でしょうか?

何にせよ「それが日本と世界にどのような影響を及ぼしたのか」をきちんと説明できないと、イコモスからリストの書き直しを命じられるだけに、もう少し慎重に議論した方がいいかと思います。ま、いざとなったら滝川クリ○リス(自主規制)でも派遣すればいいのかも知れませんが。

2013年6月22日 (土)

三保松原も世界遺産へ

晴れて世界文化遺産に登録された富士山ですが、予期せぬサプライズもありました。時事通信によると、登録は相応しくないとされていた三保松原が一転、富士山と一体で登録されたのです。これは筆者も予想してませんでした。おそらくかなりのロビイ活動が行なわれた事は、想像出来ます。

ヤフコメでも「おめでとう!観光経済活性化するのは良いけど、ゴミを出しちゃだめだよ」というコメが相次ぐ一方、「めでたいけど、すぐ経済効果経済効果って、そんな事言うの日本だけやで!!地元は儲かるんやったら、世界遺産じゃなくても良いんじゃないの?!」といった冷めた声もあります。それこそ「スカイツリーの時と同じで、喜んでいられるのも今のうちだよ。理想と現実の差は物凄いから」と言う声もあり、三保松原ががっかりスポットとして認知されるのでは?という不安もあります。デカいブロックとか邪魔だし。

もちろん富士山本体はゴミ問題や、軽装で登山するバカの遭難と言った問題が文字通り山積してます。実際、救助要請出して馬とかブルドーザー乗ったら、料金を請求されたケースは何回か聞いてるし。

ちなみに三保松原の近くには、かつて旧国鉄清水港線が走ってました。旅客列車(DD13牽引の旧客)が朝と夕方の系1往復しか走らないレアな路線でしたが、今走ってたら富士急差し置いて「世界遺産に一番近い鉄道」になってたんでしょーねー。廃止は1984年(昭和59年)ですから、29年のタイムラグがあります。時の流れは早くて残酷ですな。

あ、それから三保松原をモチーフにしたゆるキャラとかは、作らなくていいからね。松原三保とか、ミホ・マツバラとかいう名前になりそうだし。