個人博物館の限界
世界有数の自動車大国である日本には、国や自治体が運営する自動車博物館は存在しません。おそらく自動車に文化的な価値がないと思われてるのかも知れませんが、だとしたらとても嘆かわしい事です。それだけにメーカーや個人コレクションに端を発する自動車博物館は、とても貴重な存在なのですが、中には管理が行き届いておらず、とても博物館とは言えない所も、残念ながら存在します。
Jタウンネットは福岡の「日本の名車歴史館」の先行きが懸念されてる現状を伝えてますが、こちらの方のブログを見ると、もっと鬱な気になってしまいます。写真で見る限り外見は良さそうですが、パンクしてそのまんまになってるのはいただけません。空調も良くないし、このままでは折角のコスモスポーツ(それも他の博物館にはほとんどない前期型)が泣きます。
いわゆる博物館法が定める私立博物館は「一般社団法人若しくは一般財団法人、宗教法人又は政令で定める法人(日本赤十字社及び日本放送協会)の設置する博物館」であり、なおかつ所管地域の教育委員会の登録を受けることによって、「博物館法上の博物館」(登録博物館)となります。また、それに相当する施設として、教育委員会の指定を受けた博物館が「博物館相当施設」であり、それ以外の博物館は「博物館類似施設」として博物館法の適用外となります。この博物館はもちろん類似施設ですが、予算や人員を増やせない以上、現状維持がやっとというのが実態のようです。このままではあと数年で閉館の可能性もありえます。
記事で指摘されてる通り、募金やクラウドファンディングで寄付を募るか、ボランティアによる清掃や整備が行なえれば、これ以上悪くなる事態は避けられるのですが、そのためには他の博物館に応援や、技術支援を要請する必要もあるでしょう。折角のお宝を腐らせないためにも。
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