映画秘宝

2017年3月30日 (木)

映画秘宝 17年5月号

1年振りの映画秘宝本誌ネタです。この間面白いネタはたくさんあったのですが、筆者がめんどくさがってたおかげで、こんなに間が空いてしまいました。では、どうぞ。

今月のメイン特集は何と言っても「『キングコング 髑髏島の巨神』究極攻略!!」でしょう。表紙のイラストは『キングコング2』ですが、本編と比較しても全く違和感がなく、大きな期待を抱かせてくれます。その後も「あばれろ!たたかえ!キング・コング!!」と題した北原功士しの70年代学研風イラストを初め、「髑髏島の歩き方完全ガイド!」「賛否激突! CROSSREVIEW!!!」「キングコング特撮座談会!!」「髑髏島怪獣図鑑」「映画キング・コングHISTORY」といったお好きな人にはたまらないネタのメガ盛り状態。あっという間の24ページ(表紙と後述の特集込み)です。

しかし圧巻は「永久保存特集 巨大ゴリラ怪獣コミック大襲来!」でしょう。日本じゃ中々お目に掛けられないコングのコミック(その大半は映画と無関係だが)がてんこ盛り。特にDCコミックスの充実ぶりが目立ってました。そのおかげで「ヘンリー・カヴィル(もしくはベン・アフレック)もコイツと闘ってれば・・・」という文句がチラホラ。まぁコング出してたら、ラジー賞はなかったでしょうね。

「愛蔵版日本ヘラルド映画全史1956~2006」では、こちらもヘラルド映画伝説のパンフレットがてんこ盛り。もちろん高橋ヨシキ氏推し映画『愛の嵐』もあります。他にも原正人・谷川建司両氏の独占インタビューも読みごたえがあって、それだけで映画史の貴重な1ページとして読む事が出来ます。

そして「クイック・ジャパン」で連載されてた「消えたマンガ家」が秘法に移籍して「続・消えたマンガ家」として復活。今回はならし運転として前担当者との対談になりましたが、これからどんな人が引き吊り出されるのでしょうか?でも秘法は昔似たような連載をやってて、いきなり打ち切った前科もあるからねぇ。

映画訃報は「さらば、清順美学 追悼・鈴木清順」。日活時代から『ラ・ラ・ランド』への影響など、ただただ涙です。

2016年3月31日 (木)

映画秘宝 16年5月号

「今月号は『バットマンvsスーパーマン』(以下BvS)特集なの?観なくていいよ。どう考えても俺ちゃんの映画のほうが面白いって!」

デップーに言われなくてもそういう予感はしますが、だからといって6月公開の『デッドプール』を表紙に持ってくるとは、秘宝のデップー推しは相変わらずです。さすがにまだ間があるので、今月号では町山智弘氏のネタバレ御免なレビューと、中の人ライアン・レイノルズのインタビューだけですが、「『ウルヴァリン』のデップーは間違ってた、全くダメ」と言わせしめたのは、さすがでしょう。まぁ今流れてる予告編も、デップーの魅力を十分伝えてるとは言えませんが・・・

で、本来のメイン特集である「『BvS』完全攻略」ですが、ザック・スナイダー、ベン・アフレック、ヘンリー・カヴィルのインタビュの後にバーンと現れるのが、「バットマン最新武装スタイル」と「武装カーグラフィック」。いずれも過去の原作や映像作品からバットマンのアーマーやバットモービルを漏れなくチョイスしており、これだけでお腹一杯になりそうです。ちなみに個人的にはバットマンのコスチュームやバットモービルは、ティム・バートン版が好みです。

そして『マッドマックス』の生みの親、ジョージ・ミラーが計画してた幻の『ジャスティス・リーグ』の企画も掲載。もし実現していたら、間違いなくアメコミ映画の歴史は変わってたでしょうね。

「WETAスタジオマジカル見学ツアー」は、言うまでもなく『サンダーバード ARE GO』とのタイアップですが、それを抜きにしてもおもちゃ箱の中に紛れ込んだような楽しさが伝わって来ます。個人的には鉄道模型のジオラマの中を歩いてみたいのですが・・・

「ケヴィン・ベーコン徹底研究!」では秘宝の殿堂入りメンバーであるベーコンの最新作『COP CAR/コップ・カー』を中心に、全米最狂俳優の素顔に迫ってますが、その内容はお約束通り「悪役!コスプレ!丸刈り!フルチン!」と秘宝読者の好きなチャイルディッシュな展開に。まぁ筆者も好きですけど(変な意味ぢゃなくて)

映画訃報では一昨年亡くなられてた石井輝夫作品のミューズ、三原葉子さんを特集。他誌の扱いは全くのベタ記事扱いか完ムシだったので、貴重な記録となりました。合掌。

2016年2月29日 (月)

映画秘宝 16年4月号

表紙の橋本環奈目当てで買ってページを捲ったら、いきなり『裏切りの八悪人』ですから、この時点で引いた人も多いのではないでしょうか?言うまでもなく高橋ヨシキ氏デザインの『ヘイトフル・エイト』ウソ日本版ポスターです。タランティーノ作品では『ビルを殺れ!』(『キル・ビル』)、『鎖無用のジャンゴ』(『ジャンゴ/繋がれざる者』)に続いて3度目ですが、全く違和感はありません。何より本人が喜んでんだし。

その「『ヘイトフル・エイト』徹底解剖!!」ですが、ネタバレが多数あって残念ながら書けません。辛うじて書けるのは「元ネタの一つは『遊星からの物体X』である」「日本ではオリジナル版たる70mmフィルム上映をするのに、少なく見積もって60億円かかる」事くらいでしょうか。

そしてお待ちかね「激動の角川映画40年史1976-2016」。最新作である『セーラー服と機関銃-卒業-』は橋本環奈のインタビュー位で、後は大林宣彦・井筒和幸両監督のインタビューや、メディアミックス史に知られざるマイナー作品の発掘など、保存版の名に恥じない構成になってます。さすがネタに行き詰ると懲りずに『時をかける少女』特集を組む秘宝だけの事はあります。

「実話秘宝 エスコバル・ムービーズ」では、ここへ来て急に盛り上がってるコロンビアの麻薬王、故パブロ・エスコバルの実録映画を、劇映画にドキュメントはもちろん、ネットフリックスまで動員しての小特集。もちろん『エスコバル/楽園の掟』公開に合わせた、これまた秘宝お得意の「ナメてた相手が実は・・・」路線ですが、正真正銘の実録ものなので、初めて『仁義なき戦い』を観た時のような気持ちに戻れそうです。

映画訃報はもちろんデヴィット・ボウイ。もちろんミュージシャンとしてのボウイを中心としてるので、ファン以外はついていけないかも知れませんが、無意識のうちに脳内で「メリークリスマス・ミスター・ローレンス」が流れてしまうのは、年齢のせいでしょうか?(作ったのはボウイではないが)

2016年1月30日 (土)

映画秘宝 16年3月号(ベスト10とトホホ10)

「おまちかね!超豪華140名強の映画野獣が爆走!史上最大規模の映画ランキング大発表!」(表紙より)。映画秘宝2015年ベスト&トホホ10が発表されました。まずはベスト10から。

1位、マッドマックス 怒りのデス・ロード

2位、キングスマン

3位、セッション

4位、グリーン・インフェルノ

5位、ジュラシック・ワールド

6位、野火

7位、ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション

8位、ナイトクローラー

9位、007 スペクター

10位、ジョン・ウィック

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の一人勝ち(861点!)が目立ち過ぎです(『キングスマン』との差が565点!)もうほとんど無双と言っても過言ではなく、他の作品が霞んでしまいました。そんな中で『セッション』の3位はお見事でした。ベストガールとベストガイはこれまた『~怒りのデス・ロード』から、シャーリーズ・セロンとトム・ハーディ。そしてベストシーンは『~怒りのデス・ロード』のほぼ全シーンと、3部門全てを同一作品が制覇という、史上初の快挙を成し遂げました。でもって次はトホホ10。

1位、進撃の巨人

2位、ターミネーター:新起動/ジェニシス

3位、ギャラクシー街道

4位、進撃の巨人 エンド・オブ・ザ・ワールド

5位、アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン

6位、ファンタスティック・フォー

7位、チャッピー

8位、セッション

   トゥモローランド

10位、ジュラシック・ワールド

『進撃の巨人』二部作と『ギャラクシー街道』『~エイジ・オブ・ウルトロン』のトホホ上位は予想通りでしたが、『ファンタスティック・フォー』の6位は意外でした。まぁアメリカでも「底抜け超大作」のレッテルを貼られてましたから、買い控えならぬ観控えする人が多かったのかも。それより『ターミネーター:新起動/ジェニシス』の低評価はもっと意外。これでダメならいったいシュワに何を求めるというの?(向こうでもコケたけど)

明日はベスト&トホホ10以外の記事をご紹介します。ちなみに毎年恒例の死んでほしい奴、今年もたくさんありすぎて書ききれません。でも石原慎太郎の名が消えましたね。まぁ半ボケで相手にされてないだけかも知れないけど。

2015年9月30日 (水)

映画秘宝 15年11月号

「俺ちゃんが表紙!?わかってるじゃないの~!やっぱ『ファンタスティック・フォー』みたいな失敗作は表紙にゃできないよね~!」

しょっぱなからこんな調子で始まる今月号、最初の特集は「最新版アメコミ・スーパーヒーロー全網羅」。そしてそのトップを飾ったのは「マーベル史上最大のヤクネタ」とも呼ばれる饒舌な傭兵、デッドプールその人でした。映画の公開は来年2月ですが早くもキャラ紹介を手掛ける所に、デップーが来年の秘宝一押しどころか二押し三押しキャラである事を伺わせます。今の段階でここまでやりたい方題していいのか?という気もしますが、いいんでしょう。誰も何も言わないし・・・。

もう一人の一押しは現在公開中の『アントマン』。ちっちゃくてもスーパーヒーローという事で、こちらはキャラ紹介に加えて、ペイトン・リード監督のインタビューも掲載。でも「パンフより詳しい」というコピーには思わず苦笑。そのアントマンも登場するのが、やはり来年4月公開予定の『キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー』。こちらも今回は主な組み分けを掲載してますが、登場が予定されるスパイダーマンのビジュアルはなし。ついでに言えばソーとハルクは不参加という事で、こっちは逆に原作よりスケールダウンしてます。

そして悪い意味でマーベルのヤクネタになったのが、デップーもネタにした『ファンタスティック・フォー』(10月9日公開)。そのダメ振りはあれほど辛気臭かった『マン・オブ・スティール』が、まともに見えるほどです。思えば昔の『FF』は楽しかったですね。「とにかく明るいジェシカ・アルバ」とか今に通じるネタもあったし。さすがに続編はやらないでしょうけど(その前にマーベルスタジオが権利買い戻す可能性大)、どうせならデップーのおもちゃにしてくれた方が、彼らも浮かばれるでしょう。

お次は「発掘!NETFLIXお宝完全ガイド」今月からサービスを開始したNETFLIXの将来性について述べてますが、タブーなしでエログロ・バイオレンスをガンガン見せつけ、しっかりした声優に吹き替えをさせるその姿勢は、間違いなく今後の映画配信ビジネスを変えるでしょう。そんな中でペ・ドゥナのインタビュー載せるのは、秘宝らしいですな。

先月の「いちばんデカいのは誰だ?巨人映画の世界!」に対抗して、今月は「アントマンだけじゃない!MAD&CRAZY小人ムービーズ」。ここ数年小人映画界のスターとして君臨してるピーター・ディンクレイジや、ジョージ・ルーカスの小人フェチ振り。果ては日本からも白木みのるやマメ山田、今は亡きリトル・フランキーや笹野鈴々音といった豊富な人材を紹介してますが、なぜかジャッカスのウィーマンはハショられてます。何があったのでしょうか?

名画座秘宝では柳下毅一郎氏が福島の本宮映画劇場を訪問。『探検バクモン』でも取り上げられてましたが、その「ニューシネマパラダイス」振りは、冗談抜きで建物から映写機まで文化財として保護すべきだと思います。何せシネパトスも新橋文化劇場もなくなっちゃたし、東京だと辛うじて残りそうなのは早稲田松竹くらいしか思いつかないし。

その柳下氏が久しぶりに町山智浩氏と送るのが、「復活!FBB(ファビュラス・バーカー・ボーイズ)の裁くのは俺たちだ!『進撃の巨人』編」相変わらず原作やアニメ版のファンからは叩かれまくってる『進撃の巨人』ですが、ついに秘宝でも自己批判が始まりました。ネタバレ上等なのでまだ観てない人は飛ばすのが賢明ですが、「今年の死んで欲しい奴に立候補するから」という町山氏の声に、読者はどのような評価を下すのでしょうか?

「ん?俺ちゃんの肩にゴミがのってる・・・もしかしてアリンコおじさん?」って、製作会社違うのにいいのか?と思いきやこれは・・・

2015年8月31日 (月)

映画秘宝 15年10月号

前回のレビューを掲載したのが4月30日のブログなので、今回も4カ月ぶりになってしまいました。忙しい事もあるのですが、それ以前に最近の秘宝には昔のようなキレがなくなってると思う事がよくあるので。

今月は「巨人vsスパイ」と銘打ち、巨人映画とスパイ映画の二本立て特集がメインとなってます。もちろん巨人映画のメインは、原作やアニメ版のファンから賛否両論言われてる『進撃の巨人』の後篇、『~エンド オブ ザ ワールド』(計7ページ)ですが、樋口真嗣監督・尾上克郎特撮監督・そして共同脚本の町山智浩氏(今回『巨人』前後編に対する批判の中で圧倒的に多いのが「町山は在日だから」というヤツ。確かに氏は在日をカミングアウトしてるが、それと映画の脚本が面白いか否かは、別の問題だと思う)のインタビューがメイン。「後篇は楽しい町山ワールド炸裂ですよ」というコメントは、期待していいのでしょうか?

もう一つの「いちばんデカいのは誰だ?巨人映画の世界!」は、過去に公開された巨人映画の巨人ビジュアルのオンパレードですが、殿堂入りを果たしたのが『ファンタスティック・フォー』のギャラクタスというのは、明らかに過去のFF映画に対するイヤミでしょう。もう一人が『妖怪巨大女』のナンシーというのは、もちろん『パルプ・フィクション』繋がりです。でもっていろんな巨人が登場してる中で、なぜか『ガリバー旅行記』のジャック・ブラックは「ジャック・ブラック」ってそのまんまやないかい!

もう一つのメインは「HIHO SPY映画手帳」。ニャンと計20ページの大特集ですが、そのメインは高橋ヨシキ氏大絶賛の『キングスマン』。特にひみつ道具(あえてガジェットとは呼ばず)の解説に気合いが入ってます。「ど忘れウォッチ」とか「ゼロゼロめがね」とか「さそりペン」とか、テレ東チックな命名(もちろん勝手にやってんだろうが)に、いい意味で昔の「秘宝」らしさが随所に出てます。となると「爆裂フリント・ライター」の元ネタは、言うまでもないでしょう。更にマシュー・ヴォーンとガイ・リッチーの盟友監督インタビューでは、ヴォーンの『キングスマン』とリッチーの『コードネームU.N.C.L.E.』(もちろん元ネタは『0011 ナポレオン・ソロ』)が、共にコインの表裏のような存在である事がわかります。

更に「ひみつ兵器で振り返るスパイ映画史」では、『007』から『ミッション:インポッシブル』まで本流亜流王道パロディと、古今東西のスパイ映画に登場するひみつ兵器のオンパレード。一部はGPSやスマホといった形で実用化されてますが、怪しい装備が付いたアストンマーティンBD5や、海底の秘密基地は未だ実用化してません。やっぱ男子たるものこういうのを手に入れてこそ、一人前と言えるんでしょうな。他にも『007』以外のスパイ映画ポスターコレクションや「こんな女スパイに殺られたい!」(『ニキータ』を劇場版のアンヌ・パリローとTV版のマギー・Q、両方載せてるのがツボ)、果ては『国際秘密警察』シリーズや市川雷蔵の『陸軍中野学校』シリーズといった、今や絶滅した和製スパイ映画についても、簡単に触れてます。『日本のいちばん長い日』もそうですが、たまにはこういう映画を観て歴史の勉強をするのも、乙なものです(かなりネタが偏ってるが)

今月は久しぶりに昔の秘宝らしさを満喫できました。来月もこのノリでやってくれたらいいんだけどねぇ。

2015年4月30日 (木)

映画秘宝 15年6月号

15年3月号のレビューを1月27日のブログに載せて以来、3か月振りの秘宝レビューです。尤も前回はベスト10とトホホ10だけで終わってしまったので、純粋なレビューとしては4ヶ月振りですが・・・

今月のメイン特集は「奇想天外!21世紀SF映画大図鑑」です。と言ってもメインの『チャッピー』だけで11ページ(表紙含む)使って、しかもネタバレが多数あるので、ここでも詳しくは書けません(全然レビューになってない・・・)。他は高橋ヨシキ氏によるテリー・ギリアムへのインタビューと、次世代のニール・プロムガンプ探しくらいでしょうか?ちなみに『チャッピー』の元ネタの一つとされる、あのロボットアニメの実写版は、完ムシです。

「レジェンド級が勢ぞろい!この音楽映画を聴け!」ではジミ・ヘン、JB、スライ&ザ・ファミリーストーン、デュラン・デュラン、ジョニー・サンダースといった蒼々たる面々がズラリ。若い読者は置いてけ堀でしょうが、たまにはこうした映画を観て現代音楽史を勉強するのも、いいかも知れません。

若いヤツ置いてけ堀と言えば、次の「オーバー70限定 ゼロ年代このジジィが怖い!!」もそうでしょう。『龍三と七人の子分たち』便乗企画なので新味はありませんが、ジミー・ウォング70歳、チャック・ノリス72歳、アンソニー・ホプキンス75歳、マイケル・ケイン76歳、ドナルド・サザーランドとロバート・レッドフォードは77歳、クリストファー・リーと平幹二朗は80歳と言われれば、素直にひれ伏してしまいます。その後の藤竜也と杉作J太郎の対談はオマケのようなものですが、J太郎はオフィス北野に何か企画でも持っていくつもりなのでしょうか?無視されるだろうけど。

そして今月の一押しが、柳下毅一郎氏による「誰がために映画は作られるのか?」です。『カラアゲ☆USA』『アラヤシキの住民たち』『愛を積むひと』『あしたになれば。』といった、秘宝読者は絶対に観ない映画は、何のために作られるのかといった疑問を、かつてFBB(ファビュラス・バーカー・ボーイズ)やBMA(バッドムービー・アミーゴス)で俎上に上げた柳下氏が「日本映画の公共事業化」とバッサリ斬り捨ててます。ちなみに秘宝編集部に前述の映画のチラシがあったそうですが、まさか製作サイドが送りつけたとか?柳下氏はこの流れで、大槻ケンヂ氏との対談「謎の日本映画を追え!」に突入するわけですが、以外にも初顔合わせだとか。要は別の意味で日本映画(の一部)がシベ超化してる、という事なんでしょう。

それにしてもオーケン一押しの『アイアンガール』主演の明日花キララといい、『闇金ウシジマくん』(TV版)の佐倉まなといい、何でAV以外のドラマや映画に出るAV女優は脱がないんですかねぇ。言っちゃ悪いけど、彼女たちに心を打つような名演技なんか、誰も期待してないのに。脱がないAV女優の思い出作りに映画やドラマを使うのも、止めにして欲しいですな。

2015年1月27日 (火)

映画秘宝 15年3月号(ベスト10とトホホ10)

「信用できる映画野獣が一挙大集結してお届けする、年に1度のお祭り騒ぎ!」(本誌より抜粋)映画秘宝2014年ベスト&トホホ10が発表されました。まずはベスト10から。

1位、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

2位、GODZILLA ゴジラ

3位、ゴーン・ガール

4位、インターステラー

5位、ウルフ・オブ・ウォールストリート

6位、LEGOムービー

7位、キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー

8位、ラッシュ/プライドと友情

9位、劇場版テレクラキャノンボール2013

10位、ホドロフスキーのDUNE

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のダントツ1位は予想通りですが、公開当時秘宝本誌でもほとんど取り上げられてなかった『インターステラー』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』『LEGOムービー』がベスト10入りしたのは予想外でした。筆者もリアルで観てないし。ベストガールは『ゴーン・ガール』のロザムンド・パイクと、『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』のスカーレット・ヨハンソン(いい加減「スカジョ」と呼ぶのはどうかと思うが)、ベストガイは『インターステラー』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のマシュー・マコノヒー、ベストシーンは『GODZILLA ゴジラ』のゴジラ咆哮シーンと、これまた予想通りでした。で、次はトホホ10。

1位、GODZILLA ゴジラ

2位、LUCY/ルーシー

3位、アナと雪の女王

   キック・アス/ジャスティス・フォーエバー

5位、キカイダーREBOOT

6位、トランセンデンス

   渇き。

8位、トランスフォーマー/ロストエイジ

   マチェーテ・キルズ

10位、ロボコップ

ベスト2の『GODZILLA ゴジラ』がこっちではトホホ1に。まぁ過去にも『宇宙戦争』みたいにベストとトホホで上位にランキングというのはありましたし、ある意味勲章みたいなものでしょう。『アナ雪』はさておき、『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』『トランスフォーマー/ロストエイジ』『マチェーテ・キルズ』がトホホ10に入ったのは予想通りでした。1作目に比べるとテンション下がってるし。

明日はベスト&トホホ10以外の記事をご紹介します。ちなみに毎年恒例の死んでほしい奴、石原慎太郎、安倍晋三、百田尚樹は定番なので言わずもがな。後はたくさんありすぎて書ききれません。

2014年12月22日 (月)

映画秘宝 15年2月号

驚く勿れ、ニャンと1年振りの映画秘宝レビューです。前回14年2月号のレビューを書いたのが、13年12月24日。世間でわクリスマス・イブで浮かれてる頃、筆者は一人、ケーキとも七面鳥とも無縁の日を過ごしていました。おそらく今年もそうなるのでしょうけど、一昨日のブログでお伝えした東京駅の騒動が長引いて、イブのイベントが中止か縮小されればいいと、本気で考えたりしてます(ホント、我ながらヤなヤツですね)

閑話休題。今月のメイン特集は当然の事ながら予告されてなかった「鎮魂・高倉健」と「追悼・菅原文太」です。一番最初の写真だけ見ると、秘宝と言うより週刊文春か週刊新潮に近いレイアウトです(そう言えば新潮は健さんのフィルモグラフィはやったけど、文太さんはやらなかった。何で?)内容は多岐に亘っており、もちろんフィルモグラフィもありますが、個人的には「高倉健最強伝説」と「新東宝時代の菅原文太」がオススメです。前者は和製チャック・ノリス・ファクトのノリで楽しめ、後者は映画誌でもほとんど取り上げられないから。

続いては「『ホビット 決戦のゆくえ』徹底大総括」。ピーター・ジャクソン絡みというだけで、文字通りの徹底大総括が続きます。もう『ロード・オブ・ザ・リング』とは別の路線を突っ走ってるとしか言いようがありません。てゆうかこれやりたいから『ROTR』撮ったとか?ピージャク(本人はこんな風に呼ばれてるって事知ってんだろうか?)

そして今回の隠れた好特集が「『ベイマックス』大解剖」。秘宝で『ベイマックス』?と思いましたが、読んでく内に「え、『ベイマックス』って、そういう映画だったの?」という気になってきました。冗談抜きで他誌では全く読んだ事ないネタバレ多数のネタが満載です。原作がディズニー傘下マーベルのヒーローコミックである事は知ってましたが、それをこれだけの作品に仕上げるとは・・・ちなみに製作会社違うけど、あの『MIB』も元ネタはマーベルの二線級コミックでしたな。

もう一つのマーベル繋がりは、これまた「ネタバレ御免!『エージェント・オブ・シールド』シーズン1全話解説」。マーベル・シネマティック・ユニバースの補完どころか堂々の独立したシリーズとして、硬派で観応えのあるストーリーは、あえて言うならアメリカ版『怪奇大作戦』でしょうか?(ちょっと違うか)。結末にも触れてるので、これからBDやDVDを買う人は、読まない方がいいかも。

とりあえず目ぼしいネタはこんな所でしょうか。で持ってこの時期の秘宝に付きまとうある不満。それは次号3月号で掲載されるベスト10・トホホ10のハガキの〆切が、12月26日必着って事。関東・中部・関西なら24日、それ以外の地域は23日に出さないと間に合わんでしょ。せめて正月明けまで待てないんですかにィ。

2013年12月24日 (火)

映画秘宝 14年2月号

すいません、先月号は買いませんでした。理由はつまんないから。その反動で今月号はだいじょびかのぅと思っていましたが、表紙を見て即買いました。

まずは表紙込みで計5ページの『ヌイグルマーZ』グラビア。秘宝のミューズ中川翔子と井口昇作品のミューズ武田梨奈の夢の共演は、一歩間違えればAKB辺りがスマホでひっそりやってるコントみたいになりかねませんが、そうならなかったのは元の基盤がしっかりしてるからでしょう。もちろん筆者も観に行きます(14年1月公開予定)

メイン特集は「決死の大脱走アクション傑作選!」スタローンとシュワルツェネッガーの本格初共演作(『エクスペンダブルズ』シリーズは例外)『大脱出』の公開に合わせたものですが、実質的なメインは『暴動島根刑務所』の松方弘樹と言っても過言ではありません。わざわざ「世界最強の脱獄アクターなんて銘打ってる位ですから。まぁそれ以外にも「これがリアル脱獄映画だ!」「閉ざされた男たちの見果てぬ夢」「女囚アマゾネス女番長大脱獄」「鬼看主&脱獄不能監獄ムービーズ」といった見出し読むだけでワクワクさせるネタがてんこ盛り。最後の「心をこめてオススメする脱走&暴動ムービー10」は、いかにも秘宝的な作品がチョイスされてますがシメは賛否両論あるでしょう。

デビルズプレスでは6年振りの監督作『ポール・ヴァーホーヴェン/トリック』を引っ提げてやってきた我らがポール・ヴァーホーヴェン大先生に、高橋ヨシキ氏が挑みます。稀代の巨匠かそれとも単なるヘンタイオヤジか、はたまた両方か、それは是非とも読んでたしかめて下さい。必見です。

そのヴァーホーヴェン大先生に真っ向からぶつかって行けるであろう男を取り上げたのが「大怪優マシュー・マコノヒー超研究」。ここ数年デビュー当時の優等生ぶりを全否定するかのような壊れっぷりがハンパないマコノヒーですが、その原点はやっぱマッパでボンゴ叩いたあの時だったのでしょう。それにしても「世界初!マシュー・マコノヒー野郎脱ぎ映画一覧」って・・・まぁお好きな人にはたまらないんでしょうけど。

個人的に一番キタのは「日本映画のあかんやつら」。おそらく大半の秘宝読者が即買ったであろう、春日太一氏の『あかんやつら 東映京都撮影所血風録』発売を記念して行なわれたトークショーの抜粋ですが、参加者がハンパありません。春日氏に杉作J太郎に快楽亭ブラック師匠に町山智浩氏。まさに秘宝読者の為に行なわれたようなあかんやつらの集い。行けなかったのは今年一番の後悔ですな、個人的には。

ところでこの時期の秘宝には、必ずと言っていいほどある不満があるのですが、それについてはまた後日。

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